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親からの手紙 再録5 [親からの手紙]

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 ちょうど、私と同じように頑張った数人の保護者は皆
後悔を口にしています








あるお母さんなんかは、
積極的に学校関係者へお話をしにいっています


彼女のお子さんは、A君よりもお話ができて、一人で買い物に行ったり、
バスに乗れるほどのスキルを身につけました



その様子は、無理強いしているという感じではなく、
写真の手順表を用意したり、ごほうびを用意したりして、
本人も納得して取り組んでいたように見えていました








学校でも先生に「今日も嫌がらずに頑張っていました。」
褒められていました








ところが、中学生になって大爆発をしました



「バスの練習したくなかった~!」
「学校、嫌だった~!」と言い続けながら
家中の家具を壊し、破壊行為が止まらなくなったそうです。








小学校時代の大人しい彼からは想像できないような変貌ぶりです。








今は、フラッシュバックするたびに大暴れして
学校にも行けていません。
「学校・・」と聞くだけで暴れるからです。








彼は今、精神科にかかっています
「まさか、うちの子が
こんな風になるなんて思わなかった。」
と、後悔されています









 そろそろ、幼児期に早期療育が流行り始めた
A君の年代の子達を追跡調査してみてはどうか
と思ったりします。(追記:2009年5月時点  今から10年前








他の障害のお子さんや他の地域はよくわかりませんが、
私の住んでいる地域の自閉症の子たちは、
結構2次障害がひどいような気がします








早くから診断され
療育機関に関わっていたにもかかわらず・・。









あるお母さんは、
「私、あの当時は皆についていけなくて落ち込んだけど、
今はよかったって思う。」
とおっしゃいました。耳が痛かったですね。








 なんだか、早期療育って、いつ爆発するかわからない
時限爆弾を仕込んでいるような気がします








周囲から 「これは正しい」と言われて頑張ってきたものの、
その根拠のなさに気づいた瞬間に・・・



あるいは頑張ったけれど我慢の限界にきて
突然爆発するって感じでしょうか・・・








周囲の無理解からくる爆発って、未診断だけでなく
診断後の療育にもあてはまるんだな~と、改めて思います








 だから、何かをする前に、
「はたしてこれは、本当に根拠のあるのものだろうか。」
「わが子に負担をかけないだろうか。」
じっくり考えるといいのではないかと思います








根拠については、おそらくほとんどのことが
説明できないことだったりするのではないかと思います。
「社会に適応できるために」なんて、
ダントツ1位ではないでしょうか・・・。(^_^;)









 反面教師がここにいます
同じような失敗をせずにすむお母さんが増えるとうれしいです






自分では、なかなか気づけないのです。






誰かが指摘してくれても、なかなか認められないのです。
とてもつらい葛藤が起こるでしょう。








そして、その葛藤から開放されて、自分の失敗に気づいた後は、
より大きな後悔と懺悔の気持ちが待っています。








時には爆発に加担した人への恨みごとも言いたくなります



 それでも、立ち上がって生きていくしかないのです。








覚悟・・・できていますか?

(自閉症の人とそうでない人との話)個人的メールより。



つづく
【自閉症テレビ19】消せない怒り


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親からの手紙 再録4 [親からの手紙]

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 ですから、私や周囲の人間がそうだったように、
保護者や教師が、
ニキさんの本やティーチ関連の本を妄信的に信じて
そばにいる当事者を無視して、安易にあてはめること
危険を感じています








 ニキさんの本は、自閉症のバイブルだ。」
「このティーチの本はいいよ。」
などと話題になったのは事実ですし、








「お子さんとは違うかもしれないけど」
「お子さんには合わないかもしれないけど」
警告することなく








これらの本を薦めた
保護者や医療・療育・学校関係者は多かった
ですから・・・。








例え警告したとしても、
保護者が社交辞令的に受け止めたり、
その違いがどういうものかわかっていなければ
警告していないと同じなんですよね。








親は必死ですから、そのような情報があれば
躊躇無くとびついてしまうんです。








また、飛びつかないことが「こどもを大切に思っていない」
というプレッシャーになって、
仕方なく実践するという方もおられました








私の場合は、乗り気になって頑張っていましたが。
当時を思い出すだけで後悔の思いがこみ上げてきます








 A君タイプの子を持つ親は、
こどものことがわからないから
わからないままに、一般的に良いとされることをしようとして、
結局はこどもを追い詰めるという失敗をしがちです。








本当はわが子をよく観察して
何かしら芽生えたところを育てるときに、
支援を用意してあげればいいのですが、









実際は、観察の仕方(視点)がなかなかわからない
芽生えなんて見落としてしまう
時間ばかりが無駄に経過しているようで焦ってしまうなどなど、
簡単なことではありません








この観察も、「うちの子はこうだ」と思う根拠
本や講演会からということが多く、
保護者はわが子を観察しているつもりでも、
実は色眼鏡を通してみているということに
気づけていないことが多いです。







私もそうでした








だから、
こどもを観察するところを、本や講演などに頼り
「自閉症だから」という
色眼鏡をかけた状態から支援がスタートしてしまい、
そこから先を必死で頑張ってきました。







例えば
「自閉症だから、見せたらいい」視覚的なものを提示
「見せても意図がずれる」ということ
気づけていませんでした。




つづく

【自閉症テレビ25】自閉症サンプル

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親からの手紙 再録3 [親からの手紙]

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 また、彼女が本物だとして、何冊も出しておられる売れに売れた本の内容が
読者のそばにいる自閉症の人に役立ったのかどうかということも気になります。








この騒動で、ニキさんの本は、
B君の診断前に購入して読んだことを思い出し、
最近、彼女の本を読み直してみたのですが、
B君には、彼女についての記述はあてはまらないことが多かったです。








 「自閉っ子、こういう風にできてます!」は、
感覚に過敏や鈍感なのは、B君も同じだけれど
エピソードは全く違っていました








「俺ルール」は、エピソードは似てるんです。でも
その後の解説とか学習の仕方が、B君とは違うんですよね。








 自閉症は千差万別で、個々に違うのは当たり前のことなのに、
B君から自閉症というものが見えてくるまで
ニキさんB君の違いのようなものには、気づけていなかったんです
不思議ですね。








 B君アスペルガー症候群と診断される前
しゃべらないA君の障害特性が全く理解できず
それでも「少しでも社会に適応できるように」と、
なんとかスキルを身につけさせたくて、アプローチの仕方を模索し、
こちらの主観で想像するしかなかった頃、
ニキさんの本は、救世主という感じでした








学校の先生にも見せ、皆で
「なるほど、こういうメカニズムだったのか」と喜んだものでした。








当時の私は、ティーチにもはまっていて、勉強会でカードやスケジュール、
自立課題などを作成しまくっていました。








そして、周囲が驚くほどにA君は学校や家庭で適応していきました。

私は有頂天でした









 そのあとしばらくして、
B君がADHDではなくアスペルガー症候群であったことが判明し、
混乱しました








私が理解していた自閉症というものと
B君のそれは、大きく違っていたからです








そうこうしているうちに、A君大爆発してしまったんですよね。




つづく

【自閉症テレビ11】ホントの診断法アスペルガー


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