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自閉症とアスペルガー症候群 [自閉症資料3]

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「自閉症とアスペルガー症候群」 東京書籍
        ウタ・フリス

ローナ・ウイングが忘れられていた論文に注目し、
知能の高い自閉症の存在を理論的に確立したのが「自閉症スペクトル」

自閉症のお子さんを持つ親としては、この本を一冊読み込めば
十分なのですが、医療に携わる多くの医師に、その理論的根拠を示す為に、
ハンス・アスペルガーその他の論文集を集めたモノです。





ですから、昔のカナー型しか知らない医療者。或いは知能の高い自閉症の存在を、今ひとつ
理解できないと言う人の理論的裏付けに役立つ書籍です。




これを理解すれば、アスペルガー症候群とカナー型の自閉症の子供の間に、スペクトル上に
自閉症者が存在している事が納得出来るでしょう。





ウタ・フリスはドイツ人で、ローナ・ウイングに勧められアスペルガーの論文を英訳した人です。






後に詳細を説明しますが、この本に出てくる「ちびっこ教授」の部分です。

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まるで、私の小さかった頃の姿をビデオテープで見ていたのかと言うような記述で、大傑作です。

つづく

【自閉症テレビ20】自閉症のタイプって?


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自閉症スペクトル 親と専門家のためのガイドブック [自閉症資料3]

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「自閉症スペクトル」親と専門家のためのガイドブック 東京書籍
 ローナ・ウイング

スペクトルと言うのは日本で工学光学で使われる用語と共通。スペクトラムと言うのはカタカナ英語?
私は原書翻訳者に敬意を表してスペクトルと言っています。

とイイながらも、いつもウイング先生とフリスを言い間違えるので、記事の中でも間違った記述が
あると思います。適宜訂正しますので教えてね。






ローナ・ウイングは未知の障害、自閉症を、「自閉症スペクトル」という見方を取り入れ、
知能の低い自閉症もいれば知能の高い自閉症も居て繋がっている事を論理的に証明したのです。





この事が世界中の医学界に認められ、自閉症の診断が可能になりました。
その功績で、英国では女王陛下から勲章を貰い、WHOには招待され講演も行いました。




ローナ・ウイングには自閉症のむすめさんが居て、丁度妻と同じ56年生まれ。私と同学年かな?
最後に出てくるエリーが58年7月生まれで、1学年下。

日本で初めてテレビに登場した自閉症の男の子も1学年下でした。
当時日本で取り上げられたのもおそらくウイングの功績でしょう。







内容は、どこを読んでも文句の付けようが無く、自閉症の子供を持つ
家族には絶対必要な本です。

この本を本当に読みこなして理解できるなら、この本一冊で十分






我が家には、バラケそうな一冊と、予備の一冊、計二冊常備しています。

そのウイングが書籍の中で、読者にお勧めしている本があります。

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自閉症児エリーの記録です。
6才になっても、本当におとなしく手が掛からない子供。
しかし、何となく不安を感じる様なら、是非参考にすべき本です。

つづく

【自閉症テレビ25】自閉症サンプル


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自閉症と正常の境 海外論文 [自閉症資料3]

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「自閉症の心の世界」   星和書店
 フランチェスカ・ハッペ





日本では専門医以外の医者、例えば小児科医であったり
他の科目の医者が、
「自閉症スペクトラムが普通の人に繋がっている」と
明らかな誤解をしている例が見受けられますが、
英国でも研究者として同じ悩みがある様です。

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ハッペは、ここで
自閉症」は正常な連続体の一端位置していない
ハッキリ明示しています。







日本では専門家で(他にもいるかも知れませんが)、
日本の杉山登志朗医師と辻井教授だけが、
自閉症グレーゾーンが存在すると主張しています。



数少ない情報の中から、その根拠らしきモノを見出すなら、
この文章が見つかります。
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ウイングの本の250ページ。
ただこの文章は英国流の言い回しがあり、分かりにくい日本語なのでくせ者です。
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下記引用----------
     p250 正常との境

     自閉性障害として特徴づけられる特性の多くは、
     生活のあらゆる面で間題なく過ごしている人にも
     わずかながらみられることがあります。

     ほとんどの人はそのパーソナリティのなかに、
     自閉的行動となんらかの共通性をもつ側面が、
     一つないしそれ以上
     見られるものです。

     アスペルガーが指摘しているように、ある程度の自閉性は、
     芸術や科学の領域においては有利となります。
上記引用----------


1.自閉性が見られる人でも、問題無く生活している人がいる。
  かつての私がそうでしたが、残念ながら経済的成功に至らず、
  満足出来る生活環境を整えるまでには行きませんでした。
  しかし、私たちの仲間には、経済的成功者が存在し、
  生涯を全うできる人もいます。






下記引用----------
     自閉性障害をもつ能力の高い人と、
     正常だがちょと変わった人との間には、 明確な境界線は存在しません
     診断の問題の論議のなかで、
     どこに線を引くべきかということがしばしば討議されます。
     診断を下すことによって、だれかを傷つけたり、
     以前になかった問題を引き起こす危険性はないのでしょうか。
     この問いは、実践上のジレンマではなく理論上のジレンマです。
上記引用----------


2.現在自閉性障害の明確な境界線を設けていない。それは理論上のジレンマがあるからだ。
  理論上のジレンマとはどの様な事でしょう。

  自閉症か否かは既に「心の理論」等で定義されている。
  しかし、問題無く生活している人まで含め強制的に判定する事に
  繋がらないか。
  判定した事で、かつてのユダヤの様に排除の対象になったり、
  判定された事で、例えば社会制度上で逆差別の対象にならないか。
  これらの可能性を考えると、理論上のジレンマが生じる。  と言う事です。






下記引用----------
     臨床においては
     自閉性障害の診断をする最も重要な理由は、
     個々の問題が幼年期から成人期までの発達上の難問を
     引き起こすからですし、
     また親たちや自閉性障害をもつ人自身がしばしば助けを必要としているからです。

     そうした場合、診断を下すためには、
     その診断によってどのような助言が得られるかを検討するのが適切です。

     よく対処している人は、たとえ自閉的特徴をたくさん
     もっていたとしても、診断を受けに行くよう紹介されたり、
     自分からすすんで診断を受けたりはしません。

     彼らにそうすべきだと助言することは、
     不当な干渉です。

     自分が自閉性障害をもつことに気づいており、
     そして相互に連絡を取りあっている非常に能力の高い人の
     グループは、いろいろな刊行物のなかで、自分たちの考え方や
     その世界の経験のしかたは、自分たちにとって正当なもので
     あること、そしてたとえ治療が可能だとしても、
     自分たちはそれを望んでいないことを強く主張しています。

     しかし自閉性障害だと気づいている人がすべて、
     必ずしもこのように感じているわけではなく、
     たとえ表面的にうまく対処していても助けを求めています。
     ひとりひとりの感じ方や願望は、尊重すべきです。
上記引用----------


3.ひとりひとりの感じ方や願望は、尊重すべきである。







「正常との境」 ウイングの言わんとする結論はこうです。

1.自閉性が見られる人でも、問題無く生活している人がいる。

2.現在自閉性障害の明確な境界線を設けていない。
  それは理論上のジレンマがあるからだ。

3.ひとりひとりの感じ方や願望は、尊重すべきである。






走り読みをすれば何となく変な人と自閉症の間がずっと続いている様に感じるかも知れませんが、
よく読み込むと、自閉症のグレーゾーンが存在するなどとは一切書いていない事が分かると思います。
(追記:後日、自閉症グレーゾーンを言う人がウイングの1988年論文すら知らない事を知りました。)



ではもう一度この部分をよく読んで見て下さい。
クリックすれば大きくなります。          
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つづく

【自閉症テレビ11】ホントの診断自閉症


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