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マインド その人間として最も重要なモノ [自閉症のマインド]

私は社会に巧く溶け込めません。
私は他人とコミュニケーションを巧くとれません。
私は悪気がないのにすぐ人の気を悪くするような事を言ってしまいます。
私は人の気持ちが時々分からなくなり悩みます。
どうしたら友達と仲良くしていけるのでしょうか。



こんな事、人間であれば全世界の人間が考えます。
人間生きていれば、思い通りに行く事など無く、幼稚園児だって人間関係に悩んでいます






それを殊更「それは発達障害です」とするのは、何か意図を持っている人が言う事で、
わざわざ障害者に仕立て上げようとしている様なモノです。日本の現状はそうですけどね






ところが、自閉症の障害はそんな程度では済みません
1.社会的相互交渉   の障害
2.コミュニケーション の障害
3.想像力       の障害






この三つの障害すべてが揃って初めて「自閉症スペクトル」と言う障害と認められるのです。






それを書き表したのがローナ・ウイングの本

自閉症児自閉症者、知能にかかわらず一体何の障害なのか。何が出来ないのかを実例を以て解説し
全ての自閉症児・アスペルガー症候群の子育ての参考になるように書かれた本です。






そしてウイングの理論(自閉症スペクトル理論)の裏付けになった、自閉症をさらに理論的に
解明するとどう言う事かを解説したのがこちらの本。

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サイモン・バロン=コーエンの「自閉症とマインド・ブラインドネス」青土社です。






この本は「正常な人」から見ると、あまりに当たり前な心の中の「自動プログラム」について
書かれているので難しい筈です。

あれっ?ちょっと待って下さい。今まで読みつなげて来たマインドブラインドネスの解説。
その解説によると分かりやすいと言う話だったのでは。それはひとまず置いておいて先に進みます。






どう言う事かと言うと、高梨沙羅のスキージャンプに置き換えて考えてみます。

スキーのジャンプは元々あり得ない作業を頭と身体と訓練と技術で、最高の結果を再現しようとします。
自分がやっている事を常に認識しながら慎重且つ大胆に行います。
だからこそ自分がその時何をしたか。何を考えどうバランスを取ったか考える事が出来るのです。

自閉症者に日常生活で「心・マインド(内面)」を見つめろと求める事は、スキー選手でも無いのに
今からジャンプ台を飛んで高梨沙羅がもっと飛べる方法を考えて来いと要求する様な事なのです。
中には「内面を見つめる事が出来るサバン」が居るかもしれませんが、小学生ジャンパーにも及ばない
筈です。





では正常な人の「心」はどうでしょう。ここで言う「心」とは心の理論での「心」。
そしてマインドブラインドネス理論での「マインド(内面)」です。

正常な人は息をしているように、全く意識もせず無意識下で心の「自動プログラム」
常に動作していますから、プログラムが存在している事すら自覚せずに生活出来るのです。

逆に言えば心の「自動プログラム」が存在し、その存在を感じさせずに自動で動くから正常な人と
言われるのです。






その、普段意識しなくても良いプログラムを、敢えて意識し、それを分析してその構造を理解しろ
言われても、「何がなんだかわからな-い」と言うのがホントなのです。






ただ、それを敢えて理解出来れば、自閉症について理解出来ると言う事なのです。
それだけ価値のある理論であり書籍です。WHOは賛辞を持ってローナ・ウイング博士を招待しました。
その意義を日本人は知っているのでしょうか。そしてその基礎ともなったマインドブラインドネス






ところが、どうも専門家と称しても、
この書籍に出てくる理論を理解していない人間が山程居る様なのです。
特に辻井正次氏と杉山登志朗医師の発言を見ると、ローナ・ウイングを引用しながら真っ向反する
意見を主張したりしていますから、本当に該当論文を読んでの話なのか非常に疑問に感じます。
詳細はこちらに書いてあります。

同様に、東京都でも東京都発達障害者支援センターの石橋悦子氏が自閉症のこどもに対して
ロールプレイで他人のきもちが分かるようにトレーニングしているとホームページ上でも報告してい
いました。その後もう20年。その結果はどうだったのでしょう。検証結果も報告して貰いたいモノです。

つい最近までトレーニングの効果を謳っていたのですが、今のホームページに代わり無くなりました。
さらにこの組織は東京都の組織にも関わらず組織図も責任者も記載しない不思議な組織です。
障害者関連組織は時々こうした責任不在の不思議な組織が時々出てきます。






話が逸れましたが、「自閉症スペクトル」の原理を理解したいなら、
この書籍を理解出来なければ絶対無理です。研究者向きの書籍ですが日本の支援施設の
担当者は高学歴。きっと理解できるでしょう。






一方私たち自閉症にとっても、自分たちが持っていない能力を知り、理解できる書籍ですから、難解でも有意義な噛み応えのある本です。






ウイングの「自閉症スペクトル」
フリスの「自閉症とアスペルガー症候群」
コーエンの「自閉症とマインドブラインドネス」

この3冊を完全に理解出来たら完璧ですが、私はまだまだ途上です


【自閉症テレビ25】自閉症サンプル


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他者の心の理解 [自閉症のマインド]

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他者の心の理解」「マインドブラインドネス(マインドブラインドネス・それが自閉症)
「Understanding other minds」「MINDBLINDNESS」






コンピューターの発達と共に進化した「心の理論」心の理論に欠陥がある自閉症の私としては、
あくまでコンピューターの理論として考えた方が親和性があります。






コンピューターがスーパーコンピューターになろうとも、AIでいくら個人情報を増やそうとも、
「心」は持てません。






「心」のプログラムが作れないからです。人間は持っていますが、人間に匹敵するプログラムを
作れないのです。






一方、「心」を持たない「心の理論」を持たない、「心の理論の欠陥がある」人間が存在します。






それが、自閉症です。「他者の心の理解」が出来ないのです。だから自閉症なのです。






それを療育で「他人の気持ちを考えよう」と強要しているのが
日本の大多数の療育です。






能力の欠陥なのに、その能力が無い障害なのに強要を続けたら、人はどうなるのか。






壊れるのです。


【自閉症テレビ24】社会性豊かなASD


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心の理論 [自閉症のマインド]

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「心の理論」-自閉症の視点から-   八千代出版
   サイモン・バロン・コーエン

原題「Understanding other minds」






私には一番分かり易い「マインド・ブラインドネス」理論
つまり「マインドブラインドネスの人、この人の事を自閉症と言う」
しかし、正常な人達には逆に分かりにくいのかもしれません。






そのマインドブラインドネスの理論を裏付ける論文をまとめたのが、この書籍です。






「正常な人」が持つ「ココロ(マインド)」とは何か。どの様にはぐくまれ持ち得るのか。
そこへ至る過程、構造それらを含む理論を理解するためのモノですから、研究者向きと言って
良いでしょう。






この書籍の題名を付けるにあたり著者の葛藤も付記されています。「心の理論」「心の概念」
「民衆心理学」などの用語が候補に挙がりましたが、結局
「Understanding other minds」
(他者の心の理解)を採用したとあります。
残念ながらその著者の思いは届かず、日本の編集者は「心の理論」に差し替えてしまいました。






確かに受けは良いかもしれませんが、内容としては、「他者の心の理解」とした方が
余程分かり易い本です。


【自閉症テレビ25】自閉症サンプル


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