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自閉症とマインド・ブラインドネス [自閉症のマインド]

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「自閉症とマインド・ブラインドネス」   青土社
    サイモン・バロン=コーエン

原題「MAINDBLINDNESS」
副題(An Essay on Autism and Theory of Mind)






原題は「MAINDBLINDNESS」ですから、翻訳の「自閉症とマインド・ブラインドネス」と少し
ニュアンスが違う様に感じます。

そしてその内容はサイモン・バロン=コーエンが名付けた人の理論的解説つまり、
「マインドブラインドネスの人、この人の事を自閉症と言う」という内容です。






自閉症の子供を持つ親の必読書はローナ・ウイングの本ですが、理科系の自閉症当事者の私が、
最も親和性が高く自閉症の事を理解出来た本がこの書籍です。






計算機が身近になり、コンピューターと言うモノが作られた事で、それに伴い、
「物事を考え処理する方法」について深く考える人が多くなりました。
物事を「概念」「思い」で処理するのではなく、全ての物事を具体的に分解できなければプログラムは
作れません。





それらの考え方の進歩とも重なり、「心」とは何か。「気持ち」とは何か。「ヒト」とは何か。
そして、「自閉症」とは何か。それを見事に解き明かしたのがこの書籍です。






「人」が「ヒト」であるために獲得する、
ID→EDD→SAM→TOMMこれを分かり易く書いている筈なんですが、
自閉症である私は、SAMまで理解するのが精一杯で、未だにTOMMの理解まで行き着けていません。






皆さん興味があるなら読んで見て下さい。


【自閉症テレビ25】自閉症サンプル


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感想文 が書けない [自閉症のマインド]

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2022年9月13日更新

2000年に突然始まった誰でも発達障害運動のおかげですっかり地道な現場の声が吹っ飛んで
しまいました。






その頃、巷で噂されていた話に「感想文が書けない子供が居る」と言う話があります。
注記:
この話をTwitter上でしたところ、「私は感想文を書くのが得意でした」と激怒した当事者親がいた。
本人も子供を診断した医者から、1週間で診断を受けたと言う。
アスペルガーが感想文を書けないと言う話は、私の独自理論では無い。
アスペルガーが概念化出来ない、心理化出来ないと言う理論的裏付け。そして臨床による事実。
その積み重ねによる一つの目安だ。
さらに、私が疑うのは診断された当事者では無く、その情報を知らずたった1週間で何のテストもせず
安易に診断を下す医者の姿勢を問うだけで、患者には罪は無い。






この感想文が書けない言う話は、私や妻(共にアスペルガー症候群診断済み)も若かりし頃喫茶店で
デートしながらよく話しました。小学4年か5年になると、カリキュラムに感想文が組み込まれますから、
その時々の苦労話に事欠きません。
※注釈 妻の記憶では、小学2年1学期に読書感想文の課題があり今も克明に憶えています。
    「私はマッチ売りの少女を読みました。マッチ売りの少女がマッチをするところがおもしろ
     かったです。おわり。」
(その時の感想文を復元するとまるで将来の放火魔。ちなみに妻の国語の成績は優秀で高校卒業までずっと5だったそうです。)






では、本を読むのが嫌いかと言うとそんな事は無く、生まれてこのかた、私と同じぐらい本を読んでいる
人に会ったのは初めてで、読んでいる本もほぼ共通している事にも驚きました。






では、本を読む事が大好きで大量に読んでいるにも関わらず感想文が書けないとはどう言う事
でしょうか。






これも「マインドブラインドネス」自己の内面を知る術を持たない人間である事に
由来します。「マインドブラインドネスの人、この人の事を自閉症と言う」






現場の見識ある教師達は、勉強が出来るのに感想文を書けない「奇妙な子」の存在に
気付いていました。






この奇妙な子供達に初めに気付いたのが、ハンス・アスペルガーです。
ドイツでどうしようも無く手が付けられない子供がアスペルガーの元へ送られました。
その子供達があまりに奇妙なので、その行動様式を観察書き留め論文発表していたのです。






後日、ウイングなど若手の研究者が、自閉症と関連づけ自閉症スペクトル理論が成立したのです。






老齢のハンス・アスペルガーは、カナー型を自閉症とする考えから「違う」と言っていましたが、
ローナ・ウイングの定義は揺るぎないものと世界の医学界で賞賛と共に受け入れられました。
その根幹とする理論が「マインドブラインドネス」(自身の内面を見る事の出来ない人)なのです。






「正常な人」は本を読み、テレビを見て、何か話を聞いて瞬時に「自身の内面に起きた何か」を
無意識に知る事が出来ます。






その何かを既に知っているので、後は年相応の言葉に置き換える事が出来ます。
幼ければ幼いなりの言葉で表現し、小学生中学生と成長すればその知識に応じた表現になるのです。






一方私たちアスペルガー症候群の場合、知識のストックは膨大にあり、
時には教師をも黙らせる知識を持ち合わせながら、感想文となると書く事すら出来ないのです。






「ケネディは第二次世界大戦へ行きました。若くして大統領になりました。凄いと思います。終わり。」
学年でトップクラスの成績なのに、感想文がこれでは「テメーおれをおちょくってるのか」となります。
ある種の教師には徹底的に他では考えられない程目の敵にされイジメられるのも特徴で、
私も妻もそうやって学生生活を送ってきました。






私は「お前は転校生だから内申書0点だからな」と中学3年の時に何度か言われましたが、
言われている意味がさっぱり分からず、結局高校浪人する羽目になりました。
ビックリする両親と一緒に教師の自宅まで会いに行きましたが、
慌てる両親を見た教師が慌てていました。滑り止めに函館ラサールをひとり受験してましたが、
その青森の中学教師はラサール高校を知りませんでした。
(転校生で制服はみすぼらしく中卒でも構わない無関心な家庭と思われていたフシあり)






実はそれから45年経った今でも内申点0の意味は理解出来ないままです。






とにかく、感想文が書けない、と言うのは、非常に分かり易い一つの目安
なのです。



そしてもう一度当事者の文章とされるモノを読んでみて下さい。ソレは感想文ではありませんか?



【自閉症テレビ11】ホントの診断法アスペルガー


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辛く哀しい [自閉症のマインド]

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つらく悲しい、か、つらく哀しい、かは分かりませんが、ネット内にいる発達障害の人達は
みんな「つらく悲しい」そして「私のことを知って分かって」と周囲に要求します。
中には「わたしのトリセツ」を解説し始める人まで出てきました。






ニキリンコが登場した時、「つらく悲しい」と訴えた為か、同時に大量発生したネット上の「当事者」
もすべて「つらく悲しい」と訴え出しました。そして「でも自閉症は個性」も合い言葉になりました。






マインドブラインドネスの事をここまで読んで理解した人なら、「つらく悲しい」
と言う表現が出てきた時点で、すぐに自閉症スペクトル基本理論との矛盾
気付くと思います。






ローナ・ウイングのグループが確立した自閉症スペクトル理論
その重要な基礎理論としてあるのがマインドブラインドネスの理論。
そのマインドブラインドネス理論とは
「マインドブラインドネスの人、この人の事を自閉症と言う」と言う事です。






さらに分かりやすく説明すると「自分の内面の状態が分からない」と言う事になるのです。






ですから、ニキリンコさんやネット上の発達障害の人達が私はつらく悲しい。
表現した時点で、マインドブラインドネスでは無い
つまり、自閉症・自閉症スペクトル・アスペルガー症候群では無いと言う事が分かるのです。






つまり、自閉症では無い発達障害の中の何かの障害者か、何かの目的で当事者を装ってブログを開設して
いるか、勘違いしているかと言う事になるのです。






今説明したマインドブラインドネスの理論とその例を読むと簡単に理解できるでしょうが、
私が訴えられた2009年当時はどんなに説明しても
理解出来たのは本当に少数の人だけでした。
マスコミに登場する精神科医小児科医心理士研究者なども、みな理解しておらずニキリンコ絶賛
ひょっとして論文自体読んだ事も無いまま新聞に記事を出したり、書籍を出版したりしているのでは
ないかなぁと思われました。






何とも、「つらく悲しい」世の中です。



【自閉症テレビ19】消せない怒り自閉症


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