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「三つ組の障害」 忘れられたこの原則 [ローナ・ウイング]

昨日、定期通院で主治医と会い、いつも通り抗うつ剤を処方して貰った。
今は薬が進化し、本当に良い薬がある。私の今の薬はサインバルタ。本当に調子良い。


近況の中で、妻以外誰とも話さないし話す機会が無いと言うと驚いていた。

驚くのはこっちの方だ。人生60年。念願叶いようやく誰とも話さず暮らす環境になった。
ここはこの世の天国。こんな素晴らしい所は無い。

ナンで好き好んで他人と話す必要があるんだ。

そう考えると、「普通人」は人と話すのが好きなのか。
イジメも人が好きだからダメージが大きいのか。この辺はかなり難しい問題だ。



ネットやマスコミ上の情報は、何かの宣伝か孫引きばかりだから、基本から逸脱した珍妙な
話ばかり。
そんな中で、最も重要な「三つ組の障害」と言う表現はすっかり聞かなくなった。

自閉症を理解する上で最も重要な事なのにもかかわらずである。



自閉症を初めて且つ重要な観察記録として存在するのが、イタールによる「アヴェロンの野生児」
https://www.fukumura.co.jp/book/b115168.html

そして、レオ・カナーが、知恵遅れの子供達の中に居る奇妙な子供達の存在を明らかにした。
それが、カナー型と言われる自閉症の子供達だ。

同じ時期にハンス・アスペルガーが、社会不適応障害児を受け入れ、その特異的特徴を論文にまとめた。この論文はオーストリアでしか知られていない論文だったのが、後に英米でも知られる様になった。
これが、アスペルガー症候群と言われる自閉症の子供達だ。



この二つの歴史的論文を関連づけたのが、ローナ・ウイングの「自閉症スペクトル」だ。
http://www.tokyo-shoseki.co.jp/books/76168/
LORNA1.jpg


つまり、知能の順で並べれば、最も知能の低いカナー型の子供から最も知能の高いアスペルガー症候群の子供まで、どの知的レベルに於いても自閉症が存在する、と言う事を明確に記したのだ。

それを表す言葉が、「自閉症スペクトル」という言葉であり、その根源をなすモノが「三つ組の障害」だ。



自閉症であれば、カナー型であろうが、アスペであろうが、広汎性であろうが、発達障害であろうが、必ず自閉症スペクトルに含まれ、そして「三つ組の障害」を持っているのだ。

三つ組の内の一つじゃ無いよ。三つ組の障害を三つとも併せ持っていると言う事だ。
三つ組とは
1.社会的相互交渉   の障害
2.コミュニケーション の障害
3.想像力       の障害
               この全部の障害を持っていると言う事が最も重要なのだ。

ところが、ネット上の孫引き知ったかぶり、或いは商売の為、これらを切り売りし、
コミュニケーションに難があるからアスペ、とか引きこもったからアスペとなっているのだ。
大体、自閉症スペクトラムって言い換えて居る所が知ったかぶりの証拠で、出典を知らないんだな。
笑える。



さらに重要なのが想像力の欠如なのだが、それを知った私でさえ「想像力の障害」は承服出来なかった。ところが、自分の現実の行動を分析すると「想像力の障害」そのモノで愕然とする。

なる程、私は自閉症だったのか。



ローナ・ウイングの「自閉症スペクトル」
http://www.tokyo-shoseki.co.jp/books/76168/

ローナ・ウイングは丁度私の妻と同い年、私と同学年の自閉症の娘を持つ医者。
その事で専門家になり第一人者になったのだろう。

この本は、「親と専門家のためのガイドブック」とある様に、
自閉症を理論的に理解しようと言う本では無く、実際にいる子供達の実例を豊富に載せた、
自閉症の子供の育児の為の実用書になっている。

内容も、出版すれば売れればOKと言う本では無く、1970年の初版から常に改訂され続けているそうだ。
無論日本語版は翻訳の為、翻訳時の内容で書かれている。

それでも、常に新しい事例、新しい理論を組み入れた育児書と言う事を考えれば、
その辺の知ったかぶり、思いつき療育理論で、結果も知らされない書籍よりは遙かに良い。



自分の子供が自閉症と早期診断を受けたとしたら。  早期療育では無く
先ず、この本を手に取り読んで欲しい。

自閉症の子供、アスペルガー症候群の子供の子育てに疑問を感じたら。
この本をまた読み返して貰いたい。

先人が、自らの体験と実感を重ね続けた重みのある書物だからだ。


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マインド その人間として最も重要なモノ [ローナ・ウイング]

人間生きていれば、思い通りに行く事など無く、幼稚園児だって人間関係に悩んでいる





だから、上手く行かない人間社会の中で社会に巧く溶け込めないなとか、
どうしてこんなに他人とコミュニケーションを巧く取れないんだろう。
○○さんは人気もあるしあんな風に上手に出来れば私ももっと楽に暮らせるのにとか、
どうしてあの時、あんな事言っちゃったんだろう。彼女きっと気を悪くしてるな。
私は人の気持ちをもっと考えなきゃ。だから想像力が無いって言われちゃうんだよね。


こんな事は、人間であれば全世界の人間が考える。





それを殊更「それは発達障害です」とするのは、
何か意図を持っている人が言う事で、
わざわざ障害者に仕立て上げようとしている様なモノだ。日本の現状はそうだけどね







ところが、自閉症の障害はそんな程度では無い。さらに
1.社会的相互交渉   の障害
2.コミュニケーション の障害
3.想像力       の障害






このすべてが揃って初めて「自閉症スペクトル」と言う障害と認められる。






それを書き表したのがローナ・ウイングの本

自閉症児自閉症者、知能にかかわらず何が出来ないのかを実際の実例を以て解説した本だ。






そしてウイングの理論の裏付けになった、自閉症を理論的に解明するとどう言う事かを
解説したのがこの本。

IMGP6217.jpg

サイモン・バロン=コーエンの「自閉症とマインド・ブラインドネス」青土社だ。







この本は「普通人」から見ると、
あまりに当たり前の「自動起動プログラム」について
書かれているので難しい筈だ。






どう言う事かと言うと、高梨沙羅のスキージャンプについて考える。





スキーのジャンプは元々あり得ない作業を頭と身体と訓練と技術で再現するから、
自分がやっている事を常に認識しながら慎重且つ大胆に行う。
だから、自分が何をしたか。何を考えたか。どうバランスを取ったか考える事が出来る。






ところが「普通人」は
息をしているだけで「自動起動プログラム」が常に動作しているから、
あまりに普通すぎて、プログラムが存在している事すら意識せずに生活出来てしまう。






その、普段意識しなくても良いプログラムを、敢えて意識し、
それを分析して理解しろと言われても、





何がなんだかわからな-い」と言うのがホントだ。





ただ、それを敢えて理解出来なければ、自閉症について理解出来ない
実際専門家と称しても、
この書籍に出てくる理論を理解していない人間は山程居る






「自閉症スペクトル」の原理を理解したいなら、
この書籍を理解出来なければ絶対無理。コアなマニア向けな本だな。






一方、私たち自閉症にとっても、自分たちが持っていない能力について、理解しなければ
ならない書籍だから、難解な本であるが、有意義なかみ応えのある本だ。





この本も、大分バラケてしまって、もうじき2冊目になりそうだ。





ウイングの「自閉症スペクトル」 フリスの「自閉症とアスペルガー症候群」
コーエンの「自閉症とマインドブラインドネス」

この3冊を完全に理解出来たら満点だ。 私はまだ途上にある






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早期診断 早期療育? [ローナ・ウイング]

「発達障害は早期療育で改善
「発達障害が疑われたら早い療育を」





現実に障害児に関わっている人は、安易にこんな事を言うとは思えませんが、
世の中には、特にネット上ではこんな宣伝文句が踊っています。





実は、これも宣伝する側のことばのすり替え都市伝説です。





前回言いましたが、ローナ・ウイングはまず早期診断を、
その書籍の中で何度も何度も訴えています。
LORNA1.jpg


それは、自閉症児の側の問題もありますが、その子供と共にある親の対処の仕方によって、
子供を含めた家族の日常生活の質に違いが出てくるからです。





1才未満でも、「何か変」と親も分かるカナー型の子供から始まって、
自閉症児は、その知能の差、受動型、積極奇異型、によって親が「チョット違う」と
気付くまで大きく差が出て来ます。





子供の方が学校での生活に疲れ、自分自身が違うのでは無いかと悩みを持つまで
親が気付かない場合もあるでしょう。





いずれにしても、何か問題の兆しが出たら、一刻も早く診断を受けて下さい、と言うのが
ローナ・ウイングの主張です。





そして、成長した「ワルガキ」がどうにも言う事を聞かない時、親としてどう対処すべきか。
多くの実例を基に、その対応法が明記されています。





それらは実績に基づいて積み重ねてきたノウハウですから、
現役のアスペルガー症候群の私が見ても、「ああ、そう言われれば納得出来る」と言うモノです。





その中で特筆すべきは「取り引き」をしてはいけないと主張している部分です。
「取り引き」とは私の言葉ですが、ウイングは「褒美と罰、行動マネジメントの技法」
と表現しています。



そして、この問題についてはp140から詳しく書かれていますから、読んで見て下さい。




このウイングの主張、早期診断は、多くの精神科医も認めているようですが、
これをうまくすり替えて、早期診断をすっとばし、
発達障害と思ったら早期療育という都市伝説だけが流布されているのです。





まず診断。診察診断まで時間がある様でしたら、この本を読んで対応法を見てみて下さい。



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