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「三つ組の障害」 忘れられたこの原則 [ローナ・ウイング]

昨日、定期通院で主治医と会い、いつも通り抗うつ剤を処方して貰った。今は薬が進化し、本当に良い
薬がある。私の今の薬はサインバルタ。本当に調子良い。






近況の中で、妻以外誰とも話さないし話す機会が無いと言うと医師が驚いていた。

驚くのはこっちの方だ。人生60年。念願叶いようやく誰とも話さず暮らす環境になった。ここは
この世の天国。こんな素晴らしい所は無い。ナンで好き好んで他人と話す必要があるんだ。






そう考えると、「正常な人」は人と話すのが好きなのか。イジメも人が好きだからダメージが大きい
のか。この辺はかなり難しい問題だ。






ネットやマスコミ上の情報は、何かの宣伝か孫引きばかりだから、基本から逸脱した珍妙な話ばかり。
そんな中で、最も重要な「三つ組の障害」と言う言葉はすっかり聞かなくなった。
自閉症を理解する上で最も重要な事なのにもかかわらずである。






自閉症を初めて且つ重要な観察記録として存在するのが、イタールによる「アヴェロンの野生児」

そして、レオ・カナーが、知恵遅れの子供達の中に居る奇妙な子供達の存在を明らかにした。
それが、カナー型と言われる自閉症の子供達だ。

同じ時期にハンス・アスペルガーが、社会不適応障害児を受け入れ、その特異的特徴を論文にまとめた。この論文はオーストリアでしか知られていない論文だったのが、後に英米でも知られる様になった。
これが、アスペルガー症候群と言われる自閉症の子供達だ。






この二つの論文を関連づけ世界的に認められたのがローナ・ウイングの「自閉症スペクトル」だ。

Scan0065.jpg

つまり知能の順で並べれば、最も知能の低いカナー型の子供から最も知能の高いアスペルガー症候群の
子供まで、どの知的レベルに於いても自閉症が存在する、と言う事を明確に証明した。






それを表す言葉が「自閉症スペクトル」であり、その根拠が「三つ組の障害」だ。






自閉症であれば、カナー型であろうが、アスペであろうが、広汎性であろうが、発達障害であろうが、必ず自閉症スペクトルに含まれ、そして「三つ組の障害」を持っているのだ。

三つ組の内の一つじゃ無いよ。三つ組の障害を三つとも併せ持っていると言う事だ。






三つ組とは
   1.社会的相互交渉   の障害
   2.コミュニケーション の障害
   3.想像力       の障害 この障害を全部持っていると言う事が最も重要。






ところがネット上の孫引き知ったかぶり、或いは商売の為これらを切り売りし、コミュニケーションに
難があるからアスペ。引きこもったからアスペとなっているのだ。大体自閉症スペクトラムって言い
換えてる所が知ったかぶりの証拠で、出典を知らないんだな。笑える。






さらに重要なのが想像力の欠如。それを知った私でさえ「想像力の障害」は承服出来なかった。
ところが、自分の現実の行動を分析すると「想像力の障害」そのモノで愕然とする。






なる程、私は自閉症だったのか。






ローナ・ウイングの「自閉症スペクトル」
ローナ・ウイングは丁度私の妻と同い年、私と同学年の自閉症の娘を持つ医者。その事で専門家になり
第一人者にもなったのだろう。

この本は「親と専門家のためのガイドブック」とある様に、自閉症を理論的に理解しようと言う本
では無く、実際にいる子供達の実例を豊富に載せた、自閉症の子供の育児の為の実用書になっている。






内容も、売れればOKと言う本では無く、1970年の初版から常に改訂され続けているそうだ。
無論日本語版は翻訳の為、翻訳時の内容で書かれている。それでも、常に新しい事例、裏付けの取れた
新しい理論を組み入れた育児書と言う事を考えれば、その辺の知ったかぶり、思いつき療育理論で、
結果も知らされない書籍よりは遙かに良い。






自分の子供が自閉症と早期診断を受けたとしたら。早期療育では無く、先ずこの本を手に取り読んで
欲しい。






自閉症の子供、アスペルガー症候群の子供の子育てに疑問を感じたら。この本をまた読み返して
貰いたい。先人が、自らの体験と実感を重ね続けた重みのある書物だからだ。






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マインド その人間として最も重要なモノ [ローナ・ウイング]

私は社会に巧く溶け込めません。
私は他人とコミュニケーションを巧くとれません。
私は悪気がないのにすぐ人の気を悪くするような事を言ってしまいます。
私は人の気持ちが時々分からなくなり悩みます。
どうしたら友達と仲良くしていけるのでしょうか。



こんな事、人間であれば全世界の人間が考えます。
人間生きていれば、思い通りに行く事など無く、幼稚園児だって人間関係に悩んでいます






それを殊更「それは発達障害です」とするのは、何か意図を持っている人が言う事で、
わざわざ障害者に仕立て上げようとしている様なモノです。日本の現状はそうですけどね






ところが、自閉症の障害はそんな程度では済みません
1.社会的相互交渉   の障害
2.コミュニケーション の障害
3.想像力       の障害






この三つの障害すべてが揃って初めて「自閉症スペクトル」と言う障害と認められるのです。






それを書き表したのがローナ・ウイングの本

自閉症児自閉症者、知能にかかわらず一体何の障害なのか。何が出来ないのかを実例を以て解説し
全ての自閉症児・アスペルガー症候群の子育ての参考になるように書かれた本です。






そしてウイングの理論(自閉症スペクトル理論)の裏付けになった、自閉症をさらに理論的に
解明するとどう言う事かを解説したのがこちらの本。

Scan0056-2.jpg

サイモン・バロン=コーエンの「自閉症とマインド・ブラインドネス」青土社です。






この本は「正常な人」から見ると、あまりに当たり前な心の中の「自動プログラム」について
書かれているので難しい筈です。

あれっ?ちょっと待って下さい。今まで読みつなげて来たマインドブラインドネスの解説。
その解説によると分かりやすいと言う話だったのでは。それはひとまず置いておいて先に進みます。






どう言う事かと言うと、高梨沙羅のスキージャンプに置き換えて考えてみます。

スキーのジャンプは元々あり得ない作業を頭と身体と訓練と技術で、最高の結果を再現しようとします。
自分がやっている事を常に認識しながら慎重且つ大胆に行います。
だからこそ自分がその時何をしたか。何を考えどうバランスを取ったか考える事が出来るのです。

自閉症者に日常生活で「心・マインド(内面)」を見つめろと求める事は、スキー選手でも無いのに
今からジャンプ台を飛んで高梨沙羅がもっと飛べる方法を考えて来いと要求する様な事なのです。
中には「内面を見つめる事が出来るサバン」が居るかもしれませんが、小学生ジャンパーにも及ばない
筈です。





では正常な人の「心」はどうでしょう。ここで言う「心」とは心の理論での「心」。
そしてマインドブラインドネス理論での「マインド(内面)」です。

正常な人は息をしているように、全く意識もせず無意識下で心の「自動プログラム」
常に動作していますから、プログラムが存在している事すら自覚せずに生活出来るのです。

逆に言えば心の「自動プログラム」が存在し、その存在を感じさせずに自動で動くから正常な人と
言われるのです。






その、普段意識しなくても良いプログラムを、敢えて意識し、それを分析してその構造を理解しろ
言われても、「何がなんだかわからな-い」と言うのがホントなのです。






ただ、それを敢えて理解出来れば、自閉症について理解出来ると言う事なのです。
それだけ価値のある理論であり書籍です。WHOは賛辞を持ってローナ・ウイング博士を招待しました。
その意義を日本人は知っているのでしょうか。そしてその基礎ともなったマインドブラインドネス






ところが、どうも専門家と称しても、
この書籍に出てくる理論を理解していない人間が山程居る様なのです。
特に辻井正次氏と杉山登志朗医師の発言を見ると、ローナ・ウイングを引用しながら真っ向反する
意見を主張したりしていますから、本当に該当論文を読んでの話なのか非常に疑問に感じます。
詳細はこちらに書いてあります。

同様に、東京都でも東京都発達障害者支援センターの石橋悦子氏が自閉症のこどもに対して
ロールプレイで他人のきもちが分かるようにトレーニングしているとホームページ上でも報告してい
いました。その後もう20年。その結果はどうだったのでしょう。検証結果も報告して貰いたいモノです。

つい最近までトレーニングの効果を謳っていたのですが、今のホームページに代わり無くなりました。
さらにこの組織は東京都の組織にも関わらず組織図も責任者も記載しない不思議な組織です。
障害者関連組織は時々こうした責任不在の不思議な組織が時々出てきます。






話が逸れましたが、「自閉症スペクトル」の原理を理解したいなら、
この書籍を理解出来なければ絶対無理です。研究者向きの書籍ですが日本の支援施設の
担当者は高学歴。きっと理解できるでしょう。






一方私たち自閉症にとっても、自分たちが持っていない能力を知り、理解できる書籍ですから、難解でも有意義な噛み応えのある本です。






ウイングの「自閉症スペクトル」
フリスの「自閉症とアスペルガー症候群」
コーエンの「自閉症とマインドブラインドネス」

この3冊を完全に理解出来たら完璧ですが、私はまだまだ途上です




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早期診断 早期療育? [ローナ・ウイング]

「発達障害は早期療育で改善
「発達障害が疑われたら早い療育を」





現実に障害児に関わっている人は、安易にこんな事を言うとは思えませんが、
世の中には、特にネット上ではこんな宣伝文句が踊っています。





実は、これも宣伝する側のことばのすり替え都市伝説です。





前回言いましたが、ローナ・ウイングはまず早期診断を、
その書籍の中で何度も何度も訴えています。
LORNA1.jpg


それは、自閉症児の側の問題もありますが、その子供と共にある親の対処の仕方によって、
子供を含めた家族の日常生活の質に違いが出てくるからです。





1才未満でも、「何か変」と親も分かるカナー型の子供から始まって、
自閉症児は、その知能の差、受動型、積極奇異型、によって親が「チョット違う」と
気付くまで大きく差が出て来ます。





子供の方が学校での生活に疲れ、自分自身が違うのでは無いかと悩みを持つまで
親が気付かない場合もあるでしょう。





いずれにしても、何か問題の兆しが出たら、一刻も早く診断を受けて下さい、と言うのが
ローナ・ウイングの主張です。





そして、成長した「ワルガキ」がどうにも言う事を聞かない時、親としてどう対処すべきか。
多くの実例を基に、その対応法が明記されています。





それらは実績に基づいて積み重ねてきたノウハウですから、
現役のアスペルガー症候群の私が見ても、「ああ、そう言われれば納得出来る」と言うモノです。





その中で特筆すべきは「取り引き」をしてはいけないと主張している部分です。
「取り引き」とは私の言葉ですが、ウイングは「褒美と罰、行動マネジメントの技法」
と表現しています。



そして、この問題についてはp140から詳しく書かれていますから、読んで見て下さい。




このウイングの主張、早期診断は、多くの精神科医も認めているようですが、
これをうまくすり替えて、早期診断をすっとばし、
発達障害と思ったら早期療育という都市伝説だけが流布されているのです。





まず診断。診察診断まで時間がある様でしたら、この本を読んで対応法を見てみて下さい。



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