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ICD10 国際疾病分類 [自閉症資料3]

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ICD-10とは日本だけで無く医学に於いて、どの様な診断名を付けるかの
世界的基準になっている分類です。

これだけ多岐に渡り、さらに詳細まで分かれています。
医師が膨大な情報を頭の中に修めているのか良く分かります。ですから、
幼時に言葉が遅かったと言うだけで「自閉症だった」と勝手に素人判断する事が
如何に愚かな行為である事が分かると思います。


ICD10 国際疾病分類第10版(2013年版)

1 A00-B99  感染症および寄生虫症
2 C00-D48  新生物<腫瘍>
3 D50-D89  血液および造血器の疾患ならびに免疫機構の障害
4 E00-E90  内分泌,栄養および代謝疾患

5 F00-F99  精神および行動の障害
     第5章 精神及び行動の障害 (F00-F99)

    F00-F09 症状性を含む器質性精神障害
    F10-F19 精神作用物質使用による精神及び行動の障害
    F20-F29 統合失調症,統合失調症型障害及び妄想性障害
    F30-F39 気分[感情]障害
    F40-F48 神経症性障害,ストレス関連障害及び身体表現性障害
    F50-F59 生理的障害及び身体的要因に関連した行動症候群
    F60-F69 成人の人格及び行動の障害
    F70-F79 知的障害<精神遅滞>

    F80-F89 心理的発達の障害
      F80 会話及び言語の特異的発達障害
         F80.0 特異的会話構音障害
         F80.1 表出性言語障害
         F80.2 受容性言語障害
         F80.3 てんかんを伴う後天性失語(症)
            [ランドウ・クレフナー<Landau- Kleffner>症候群]
         F80.8 その他の会話及び言語の発達障害
         F80.9 会話及び言語の発達障害,詳細不明
      F81 学習能力の特異的発達障害
         F81.0 特異的読字障害
         F81.1 特異的書字障害
         F81.2 算数能力の特異的障害
         F81.3 学習能力の混合性障害
         F81.8 その他の学習能力発達障害
         F81.9 学習能力発達障害,詳細不明
      F82 運動機能の特異的発達障害
      F83 混合性特異的発達障害
      F84 広汎性発達障害
         F84.0 自閉症
         F84.1 非定型自閉症
         F84.2 レット<Rett>症候群
         F84.3 その他の小児<児童>期崩壊性障害
         F84.4 知的障害〈精神遅滞〉と常同運動に関連した過動性障害
         F84.5 アスペルガー<Asperger>症候群
         F84.8 その他の広汎性発達障害
         F84.9 広汎性発達障害,詳細不明
      F88 その他の心理的発達障害
      F89 詳細不明の心理的発達障害


    F90-F98 小児<児童>期及び青年期に通常発症する行動及び情緒の障害(追記ADHD)
    F99-F99 詳細不明の精神障害

6 G00-G99  神経系の疾患
7 H00-H59  眼および付属器の疾患
8 H60-H95  耳および乳様突起の疾患
9 I00-I99   循環器系の疾患
10 J00-J99  呼吸器系の疾患
11 K00-K93  消化器系の疾患
12 L00-L99  皮膚および皮下組織の疾患
13 M00-M99 筋骨格系および結合組織の疾患
14 N00-N99 尿路性器系の疾患
15 O00-O99 妊娠,分娩および産じょく<褥>
16 P00-P96 周産期に発生した病態
17 Q00-Q99 先天奇形,変形および染色体異常
18 R00-R99 症状,徴候および異常臨床所見・異常検査所見で他に分類されないもの
19 S00-T98 損傷,中毒およびその他の外因の影響
20 V01-Y98 傷病および死亡の外因
21 Z00-Z99 健康状態に影響をおよぼす要因および保健サービスの利用
22 U00-U99 特殊目的用コード

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一部の人たちが日本の厚労省で使用されているICD10を無視して殊更DSM5を持ち上げる意図が
分かりません。

つづく

【自閉症テレビ11】ホントの診断自閉症


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早期診断 早期療育? [自閉症資料3]

「発達障害は早期療育で改善
「発達障害が疑われたら早い療育を」





現実に障害児に関わっている人は、安易にこんな事を言うとは思えませんが、
世の中には、特にネット上ではこんな宣伝文句が踊っています。





実は、これも宣伝する側のことばのすり替え都市伝説です。





前回言いましたが、ローナ・ウイングはまず早期診断を、
その書籍の中で何度も何度も訴えています。
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それは、自閉症児の側の問題もありますが、その子供と共にある親の対処の仕方によって、
子供を含めた家族の日常生活の質に違いが出てくるからです。





1才未満でも、「何か変」と親も分かるカナー型の子供から始まって、
自閉症児は、その知能の差、受動型、積極奇異型、によって親が「チョット違う」と
気付くまで大きく差が出て来ます。





子供の方が学校での生活に疲れ、自分自身が違うのでは無いかと悩みを持つまで
親が気付かない場合もあるでしょう。





いずれにしても、何か問題の兆しが出たら、一刻も早く診断を受けて下さい、と言うのが
ローナ・ウイングの主張です。





そして、成長した「ワルガキ」がどうにも言う事を聞かない時、親としてどう対処すべきか。
多くの実例を基に、その対応法が明記されています。





それらは実績に基づいて積み重ねてきたノウハウですから、
現役のアスペルガー症候群の私が見ても、「ああ、そう言われれば納得出来る」と言うモノです。





その中で特筆すべきは「取り引き」をしてはいけないと主張している部分です。
「取り引き」とは私の言葉ですが、ウイングは「褒美と罰、行動マネジメントの技法」
と表現しています。



そして、この問題についてはp140から詳しく書かれていますから、読んで見て下さい。




このウイングの主張、早期診断は、多くの精神科医も認めているようですが、
これをうまくすり替えて、早期診断をすっとばし、
発達障害と思ったら早期療育という都市伝説だけが流布されているのです。





まず診断。診察診断まで時間がある様でしたら、この本を読んで対応法を見てみて下さい。

つづく


【自閉症テレビ23】支援級全員ASD?

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自閉症と正常の境 海外論文 [自閉症資料3]

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「自閉症の心の世界」   星和書店
 フランチェスカ・ハッペ





日本では専門医以外の医者、例えば小児科医であったり
他の科目の医者が、
「自閉症スペクトラムが普通の人に繋がっている」と
明らかな誤解をしている例が見受けられますが、
英国でも研究者として同じ悩みがある様です。

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ハッペは、ここで
自閉症」は正常な連続体の一端位置していない
ハッキリ明示しています。







日本では専門家で(他にもいるかも知れませんが)、
日本の杉山登志朗医師と辻井教授だけが、
自閉症グレーゾーンが存在すると主張しています。



数少ない情報の中から、その根拠らしきモノを見出すなら、
この文章が見つかります。
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ウイングの本の250ページ。
ただこの文章は英国流の言い回しがあり、分かりにくい日本語なのでくせ者です。
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下記引用----------
     p250 正常との境

     自閉性障害として特徴づけられる特性の多くは、
     生活のあらゆる面で間題なく過ごしている人にも
     わずかながらみられることがあります。

     ほとんどの人はそのパーソナリティのなかに、
     自閉的行動となんらかの共通性をもつ側面が、
     一つないしそれ以上
     見られるものです。

     アスペルガーが指摘しているように、ある程度の自閉性は、
     芸術や科学の領域においては有利となります。
上記引用----------


1.自閉性が見られる人でも、問題無く生活している人がいる。
  かつての私がそうでしたが、残念ながら経済的成功に至らず、
  満足出来る生活環境を整えるまでには行きませんでした。
  しかし、私たちの仲間には、経済的成功者が存在し、
  生涯を全うできる人もいます。






下記引用----------
     自閉性障害をもつ能力の高い人と、
     正常だがちょと変わった人との間には、 明確な境界線は存在しません
     診断の問題の論議のなかで、
     どこに線を引くべきかということがしばしば討議されます。
     診断を下すことによって、だれかを傷つけたり、
     以前になかった問題を引き起こす危険性はないのでしょうか。
     この問いは、実践上のジレンマではなく理論上のジレンマです。
上記引用----------


2.現在自閉性障害の明確な境界線を設けていない。それは理論上のジレンマがあるからだ。
  理論上のジレンマとはどの様な事でしょう。

  自閉症か否かは既に「心の理論」等で定義されている。
  しかし、問題無く生活している人まで含め強制的に判定する事に
  繋がらないか。
  判定した事で、かつてのユダヤの様に排除の対象になったり、
  判定された事で、例えば社会制度上で逆差別の対象にならないか。
  これらの可能性を考えると、理論上のジレンマが生じる。  と言う事です。






下記引用----------
     臨床においては
     自閉性障害の診断をする最も重要な理由は、
     個々の問題が幼年期から成人期までの発達上の難問を
     引き起こすからですし、
     また親たちや自閉性障害をもつ人自身がしばしば助けを必要としているからです。

     そうした場合、診断を下すためには、
     その診断によってどのような助言が得られるかを検討するのが適切です。

     よく対処している人は、たとえ自閉的特徴をたくさん
     もっていたとしても、診断を受けに行くよう紹介されたり、
     自分からすすんで診断を受けたりはしません。

     彼らにそうすべきだと助言することは、
     不当な干渉です。

     自分が自閉性障害をもつことに気づいており、
     そして相互に連絡を取りあっている非常に能力の高い人の
     グループは、いろいろな刊行物のなかで、自分たちの考え方や
     その世界の経験のしかたは、自分たちにとって正当なもので
     あること、そしてたとえ治療が可能だとしても、
     自分たちはそれを望んでいないことを強く主張しています。

     しかし自閉性障害だと気づいている人がすべて、
     必ずしもこのように感じているわけではなく、
     たとえ表面的にうまく対処していても助けを求めています。
     ひとりひとりの感じ方や願望は、尊重すべきです。
上記引用----------


3.ひとりひとりの感じ方や願望は、尊重すべきである。







「正常との境」 ウイングの言わんとする結論はこうです。

1.自閉性が見られる人でも、問題無く生活している人がいる。

2.現在自閉性障害の明確な境界線を設けていない。
  それは理論上のジレンマがあるからだ。

3.ひとりひとりの感じ方や願望は、尊重すべきである。






走り読みをすれば何となく変な人と自閉症の間がずっと続いている様に感じるかも知れませんが、
よく読み込むと、自閉症のグレーゾーンが存在するなどとは一切書いていない事が分かると思います。
(追記:後日、自閉症グレーゾーンを言う人がウイングの1988年論文すら知らない事を知りました。)


ではもう一度この部分をよく読んで見て下さい。
クリックすれば大きくなります。          
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つづく

【自閉症テレビ11】ホントの診断自閉症


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自閉症スペクトル 親と専門家のためのガイドブック [自閉症資料3]

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「自閉症スペクトル」親と専門家のためのガイドブック 東京書籍
 ローナ・ウイング

スペクトルと言うのは日本で工学光学で使われる用語と共通。スペクトラムと言うのはカタカナ英語?
私は原書翻訳者に敬意を表してスペクトルと言っています。

とイイながらも、いつもウイング先生とフリスを言い間違えるので、記事の中でも間違った記述が
あると思います。適宜訂正しますので教えてね。






ローナ・ウイングは未知の障害、自閉症を、「自閉症スペクトル」という見方を取り入れ、
知能の低い自閉症もいれば知能の高い自閉症も居て繋がっている事を論理的に証明したのです。





この事が世界中の医学界に認められ、自閉症の診断が可能になりました。
その功績で、英国では女王陛下から勲章を貰い、WHOには招待され講演も行いました。




ローナ・ウイングには自閉症の娘さんが居て、丁度妻と同じ56年生まれ。私と同学年かな?
最後に出てくるエリーが58年7月生まれで、1学年下。

日本で初めてテレビに登場した自閉症の男の子も1学年下でした。
当時日本で取り上げられたのもおそらくウイングの功績でしょう。







内容は、どこを読んでも文句の付けようが無く、自閉症の子供を持つ
家族には絶対必要な本です。

この本を本当に読みこなして理解できるなら、この本一冊で十分






我が家には、バラケそうな一冊と、予備の一冊、計二冊常備しています。

そのウイングが書籍の中で、読者にお勧めしている本があります。

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自閉症児エリーの記録です。
6才になっても、本当におとなしく手が掛からない子供。
しかし、何となく不安を感じる様なら、是非参考にすべき本です。

つづく

【自閉症テレビ25】自閉症サンプル


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自閉症とアスペルガー症候群 [自閉症資料3]

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「自閉症とアスペルガー症候群」 東京書籍
        ウタ・フリス

ローナ・ウイングが忘れられていた論文に注目し、
知能の高い自閉症の存在を理論的に確立したのが「自閉症スペクトル」

自閉症のお子さんを持つ親としては、この本を一冊読み込めば
十分なのですが、医療に携わる多くの医師に、その理論的根拠を示す為に、
ハンス・アスペルガーその他の論文集を集めたモノです。





ですから、昔のカナー型しか知らない医療者。或いは知能の高い自閉症の存在を、今ひとつ
理解できないと言う人の理論的裏付けに役立つ書籍です。




これを理解すれば、アスペルガー症候群とカナー型の自閉症の子供の間に、スペクトル上に
自閉症者が存在している事が納得出来るでしょう。





ウタ・フリスはドイツ人で、ローナ・ウイングに勧められアスペルガーの論文を英訳した人です。






後に詳細を説明しますが、この本に出てくる「ちびっこ教授」の部分です。

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まるで、私の小さかった頃の姿をビデオテープで見ていたのかと言うような記述で、大傑作です。

つづく

【自閉症テレビ20】自閉症のタイプって?


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