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トロイのヘレン [私たちの生育歴]

「さっさとしなさいサッサとサッサと」いつもいつも毎日毎日、4才の頃から言われ続けていた。

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「ホントにあんたはのろまなんだから。トロイのヘレンだね」トロイのヘレンと言うのは、超古い
ベンハーか何か映画の登場人物だ。

トロイの木馬だったかな?






母の小言は食事中も絶える事無く続く。
「ホラ、いつまで納豆混ぜてるの。サッサと食べなさいサッサと」
「ホラ、そればっかり食べてないで、これも食べなさいこれも」
ホレッ!ハシが止まってるハシが。ぼーっとしない」
「いつまで食べてんの。サッサと食べ終わりなさい、サッサと」






一度なんか、いつも通り食事中に脅かされた拍子に、思いっきり軟口蓋をハシでつついて深さ5ミリ
ぐらい綺麗にへこんだ事があった。舌で触った感じでも穴があるし、指で触っても穴がある。鏡で
見ると何とか見える。






「お母さん見て見て、ほら、ハシでへこんじゃったんだよ。分かるでしょ?」
「なに?ドコ。全然見えない。何にも無いよ」
「嘘だよ。あるでしょ?見えない?」
「見えない見えない。何ともなってない」






このハシの先のへこみは成長と共に大分入り口だけ狭まってきたが、今でも開いてる。






食事中、私の監視をしているのが習い性になったみたいで、そのしつこさは大変だった。あまりに、
早く食えと言われ続けていたおかげで、中学になれば5分もあれば弁当を食えるしそれから今迄私より
早く食べる人に会った事が無い。






「食べ物で苛めちゃダメなんだよね。食い物の恨みは一生忘れないって言うからね」母の口癖だ。






母の独り言は、ハッキリ話すのが特徴だ。まるで自分の中の考えをそのまま実況中継している様な
感じだ。特に、私の事はどうも存在していない様な感じで、本当に色々な事をしゃべっていた。






「食べ物で苛めちゃダメなんだよね。食い物の恨みは一生忘れないって言うからね」
そう言いながら、私の事を食べ物で苛める






小学4年の時、私の食べられないモノだけの夕食が出た。大根の煮物と漬け物だけの食事だ。冬の大根、
特に北海道の雪の中で保存している大根は煮ると大根臭い。その臭いが子供の頃は耐えられなかったん
だ。さらに漬け物。漬け物も臭いがダメで食べられない。






次女が心配して「お母さん、今日トール君食べられるモノ無いよ。いいの?」「トールはいいの」






まあ、何か母の気に入らない事をしたんだろう。しかし、関連づけ、統合の弱い自閉症だから何が
何だかサッパリ分からない。






「お母さん、ふりかけかなんか無い?」「ナイッ!それ我慢して食べなさい!」
「だって大根嫌いだから汁しか飲めないよ」「だったら汁だけで食いなさい」
しょうが無く大根のカケラが口に入らない様に口をしぼめながら、ほんのチョット口を湿らせながら
ゴハンだけを食べた。寝ながら腹減ったなー。






何が原因で仕返しされてるのかサッパリ分から無いので、反省も出来ないし、「ヒトの気持ち」
も考え様が無い。只々母のトンデモエピソードが増えるだけだ。






中学になり、「トール弁当で嫌なモノ言いなさい止めるから」
「サンドイッチにミカンを挟まないで欲しいな。パンがグジュグジュになるんだ」






昼に弁当を見ると、ミカンのサンドイッチだ。不思議で、不思議で、結婚しても不思議だったが、
40才過ぎて「ああ、あれは嫌がらせだったのか」と気付いた。






知能の高い自閉症の子供にこの手の嫌がらせ、見せしめ仕返しは、自分がした事と仕返しが結び
付かないから全く効果が無く、教育的指導にもならず逆効果だ。

私に対する訴訟するぞ!の脅しと同じだ。






「ヒトの気持ちを考えよう」と言ったって、何が原因なのか考える糸口が無いんだから、
考え様が無いんだよね。


こうやって、日々エピソードが増える訳だ。






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