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自閉症のサラブレッド [自閉症資料4]

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大分古い話だが西部邁が入水自殺した。妻曰く「鬱病だったんだよ。鬱病じゃなきゃ自殺しないよ」






妻は65才になっても扉をきちんと閉めない。いつもほんの少し開いている。

私はきっちり「叱咤叱咤」でみっちり躾けられたので扉もキッチリ閉めるし、一見粗相の無い行動を
取れるが、こんな天国の様な暮らしをしていても「死にたい、死にたい。幸せだから死にたい」と
言っている。 つまり、壊れてるんだね。

そのくせ、キャビネットを開けて道具を出すと、キャビネットは開けっ放し。引き出しは
引き出しっぱななし。

壊れるほど躾けても、出来ない事は出来る様にならないんだな。






私は妻に知り合った頃から妻の事を「自閉症のサラブレッドだ」と言っていた。






これはどう言う事かと言うと、妻に自閉症の話を少しだけした時、「自閉症ってカナー型とかそう言う
やつだよ」と基本知識を持っていた。自分でも薄々感じていたのかもしれない。






妻の母は、大正13年生まれで見た目非常に明るい人だ。実際、明るい人なんだが、その表情はいつも
明るい顔の表情。厳密に「心の中」と表情が一致していない感じがあった。






耳も50才前から悪く、私が知り合った頃はほとんど聞こえなかった。しかし、聞こえないのに、
いつもの明るい表情で会話に参加し、それらしい相づちを打つ。






目も、光を感じる盲目と言っていい程見えないのに、全くその素振りも見せない。






そんな明るいお母さんは、親を早く無くした。いつも世話をしてくれる人が現れて、私たちより意地悪
されなかった様だ。






私たちなら、幾らでも恨み辛みが出てくるが、お母さんは「大家さんがそこの空き地にトウモロコシを
植えるのよ。袖が梅雨で濡れるのが嫌で嫌で、あれは意地悪なのよ」






戦後の混乱期、都心の貴重な空き地なら、トウモロコシも植えるだろう。明るいお母さんから聞く
恨み言は、このトウモロコシの話ぐらいだ。






「あの人は苦労してないの」妻はそう言うが、私もそうなんだろうなと思う。






目も悪く耳も悪く、まるでカナー型の自閉症を持って来た様な人だが知能は高い。






戦争直前の女学校では授業中突然「松本!歌え!」と言われ義母が歌うと教室内は大爆笑。よく歌わ
されたそうだ。そのエピソードを話すときは、楽しい様な笑い話の様な話口で話す。そして怪訝そうな
口ぶりも含んでいた。






学校ではマスコットの様に愛されていた様だ。お母さんは音痴なんだよね。






そんなカナー型の様なお母さんに育てられた妻は、一切干渉されず、それどころか、必要なフォローも
されず、自分で社会性を獲得してきた。






「おかあさん。キヨミちゃんがミヨコの指をずっとしゃぶるの」
「あらー、じゃあしゃぶる前に綺麗に洗っておいてあげなきゃ」
3才の時幼稚園での話。






私は母親に「躾け」を施され壊れたが、妻は「女同士のさや当てはもの凄いものがあるんだよ。
3才の幼稚園児の頃から駆け引きが凄いんだから」






妻は自分自身で「三つ組の障害」を何とかごまかすテクニックを編み出し壊れる迄にはならなかった。






その妻を観察し、お母さんを観察した上で、彼女の事を「自閉症のサラブレッド」と言っているのだ。






こんな生育歴の成人女性も、カナー型と見まごうばかりの明るいお母さんも非常に貴重な存在であり、何らかの形で生きているうちにデータを保存して置きたかったが20年前には誰も見向きもしなかった
し、12年前には「三つ組の障害」があるが故に自閉症の専門家と称する人間から告発、裁判を起こされた。






まあ、そんなもんだ。



【自閉症テレビ32】出来ない役割演技


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