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バラバラ [自閉症の定義]

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昨日話したヴィクトールのエピソード。何も感じませんか?






逆に言えば何も感じないのがまともで、私たちが自閉症の当事者だから身につまされるのかも知れない。






かつて私たち夫婦は二人とも社会の中で現実に仕事をしていた。毎日が必死で、家へ帰ると本当に
クタクタ。無我夢中の毎日でどうやって暮らしていたか殆ど覚えていない。






そんな生活の中で、不思議に感じた事、釈然としなかった事と言うのは、いつまでも頭の片隅に残し、
考え続けている様だ。






そして、ある日、「ああ、そう言う事だったのか」と突然理解出来る。それは、バラバラのジグソー
パズルが、突然集合して完成する様な感じだ。






テレビドラマを見ていて突然ひらめき、「あのさー、かくかくしかじかで、・・・のとき、・・・だったんだよ。 今、テレビ見ていてようやく分かったよ」






妻に同意を求めると、妻も何かがひらめいたらしくアヴェロンの野生児を持って来てページを開いた。






「ほら、ココココ。読んでみて」






「同じ頃、ゲラン夫人の主人が病気になり、校外で診察を受ける事になりましたが、ヴィクトールは
それを知らされませんでした。

彼は自分の手伝い仕事の一つとして、夕食時になると食卓の用意をすることになっていましたので、
ゲラン氏の分も相変わらず置き続けました。
毎日その分は片付けられましたが、翌日になると、きまって彼はまた並べるのです。

病状が悪化し、ゲラン氏は病没されました。
氏が亡くなった当日も、氏の食器が食卓に置かれました。

そうしたことが、ゲラン夫人にどれほど胸が張り裂ける思いをさせたか、{私には}手にとるように
わかります。

この悲痛な場面を目撃して、ヴィクトールは、その原因が自分にあることを悟りました。

自分のおこないがまずかったと考えただけなのか、
夫人の絶望の動機まで見抜いて自分のしたことがどれほど無駄で場ちがいものかを悟ったのか、
とにかく彼は自分から食器を片付け、悲しそうにそれを戸棚にしまい込み、
二度と再び並べはしませんでした。」






ずっと使われない食器を出し続けていたけど、ゲランさんが死んだんだ。もういないんだ。

食器を使わないから不思議でしょうがなかったけど、やっと使われない意味が分かった。

そうだったんだ。もうゲランさんは食器を使わないんだ。ゲランさんの食器は出さなくていいんだ。






なんて可哀想なんだ。分かった瞬間、胸がドキッとして、バラバラだったピースが全部繋がったのだ。






「ねぇ、本当に可哀想でしょう。頭の中では分かってるのに、それが結びつかないんだよ。でもある日
突然何かの拍子にそれが結びついて分かるんだよ」






私もそう思う。






きっとヴィクトールは葬式にも出たんだろう。
ゲランさんの死に顔も見たかもしれない。
だれかが一生懸命教えようと、事の子細を耳元で話したかもしれない。
それでも、毎日食器を準備する。






ところが、ある日、食器を使う人がゲランさんで、あの祭壇で死んでいた人で、
埋葬された人で、この食器を使う人が居ないとすべての事柄が結びついた。






私も、妻も過去の毎日の生活の中で、同じ様な事の繰り返しだったから、この一つのエピソードだけで
胸がつぶれる思いだ。






分かるかな-。分かんねーだろーなー。






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